HAUNTED-666
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真・女神転生 IMAGINEのプレイ日記などw
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Another truth
※グロテスクな表現があります注意。

「どこだ?!どこにいる?!清ちゃん!!」

必死の形相で迷路のような地下通路を大声で声を掛けながら進むアジュマーンには先ほどまでの余裕は一切無かった。
mizuhoも同じように声を張り上げて探している。
これでは相手にこちらの位置が丸わかりではあるが…

「アジュマーン少し落ち着こう…焦ったら敵の思うツボかもしれん…」

アジュマーンはいつもの穏やかな表情は無く、眼光鋭くユベントスを見据える。

「ここに至る迄の全ての事象を統合して、結論から言います。
やり口からして単独犯でしょう。相手は相当の狂気を孕んでいる。
至る所に残虐性をほのめかすモノがあるのは見てご存じでしょう。
だがしかし、その相手は魔族だけに留まらず、天族にも向けられている。
先ほど見つけたオード漬けにされた手首。一つだけ天族のモノが混じっていました。」

そう告げると軽い会釈をし彼は足早に清野の捜索に戻った。

「天族の…だと…?」

顎に手を添え考える。犠牲者が魔族のみではなく、天族にまで被害が及ぶのであれば、
多少強引な捜査も可能になってくる。
今迄見てきた部屋の状況からして上よりは地下の方が犯人の本拠地である可能性が高い。

「イワン!上の2班にこちらに来るように言ってくれ。現状保管だけなら1班だけで充分だ。」

「了解です!」

3班のボウウイング、イワンが来た道を戻って行った。
が、彼の走って行った方向から彼の悲鳴が聞こえる。
続いて弓を放つ音も…

「イワン?!」

すぐに彼の後を追うとすぐに腕から出血している彼がの姿が見えた。

「大丈夫か?!」

「はい…不意をつかれて…ヤツは奥に、入り口の方に向かって行きました」

イワンはポーションを飲み傷を癒すと、腕のストレッチをしユベントスに動けるということを示した。

「わかった。イワン、君は3班4班に今の状況を告げてこちらに来るように言ってくれ。
その後2班も同じように頼む。」

「了解です」

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集まった2、3、4班がロープで下りてきた最初の場所に集まっている。
行き止まりかと思われた岩は良く出来たカモフラージュでその奥に道が続いていた。

「小賢しい…」

調査隊の面々はその発言者ユベントスを見やった。
普段彼はこの手の言葉を使わない。
まだ見ぬ敵に大分苛ついているようだった。
イワンは傷を負い、清野は未だ行方知れず。
苛立ちを隠せないのはアジュマーンとmizuhoもそうだった。

「まさかこんなところに、ね…」

mizuhoはワンドでカモフラージュされていた岩を叩くと、気づけなかった悔しさを表情に滲ませた。

「きっと敵もこの奥にいるはず…こちらに気づいて逃げているかもしれない、とりあえず急ぎましょう。」

アジュマーンの声に皆首を縦に振った。
こちらの通路は意外なほど分岐点もなく迷わず奥まで来られた。
目の前にはまた扉が…

「総員構え!すぐ突入する!」

3班のシールドウイングがありったけの力を込めてドアを破る。
ドアは木片を飛び散らせ大破した。

と、同時に香ってきたのは鉄の匂い…

否、これは、血のにおい。

「ひどい…どうしてこんな事が…」

その部屋には3人の天族が串刺しのまま、生きていた。
羽根は具現化したまま広げて縫い止められ、美しいオブジェのように。
3人の目は虚ろでもう長い事ここにいるのかもしれない。
精神が崩壊しているようだった。

「2班今すぐ彼等を降ろして治療を!3班は半分この部屋の警備に。残りはついてきてくれ。」

奥に扉がある。
きっと清野と犯人はそこに居るだろう。何故かそんな気がした。
と、同時に悪寒が背筋を駆け抜ける。

「早く、早くいかなくちゃ。」

「あ、待てっ!mizuho!!」

ユベントスの制止も聞かず、mizuhoは一人扉に駆け寄り、そして現世の地獄の扉を開いた。
Confrontation with madness
暴力的・グロテスクな表現があります。ってかそれしか無い…

冷たい空気が頬を撫で目が覚める。
まだぼうっとする意識の中でここはどこだろうかと自問する。
確か調査隊の最後尾に居て…いきなり横から現れた手に口と鼻を塞がれた迄しか憶えていない…
首に冷たいものを感じる。両手は自由に動かず、両足は重い。
どうやら鉄の拘束具で拘束されているようだ。

「起きました?もう少ししたら起こしてあげたのに。」

何処かで聞いた事のある紳士的な声にうなだれていた首を上げる。
まだ目がかすみ濁った視界でしか見る事が出来きず顔がわからなかったが気配からして天族だろう。
仲間だ、と、ホッとすると同時に体から力が抜けた。
何処で聞いた声だろうか、その事を思い出そうとするがすんなり出てこない。
紳士的な声の男性の手中にはダガーが握られていた。

「頬を擦り剥いてしまってるね。シティビンピース…」

彼はキュアウイングのようだ。
言われて気づいたひりひりとした感覚が彼の呪文によって無くなっていく。

「…それ……」

ようやくぼうっとしたのが抜けて来て声が出せるようになった。
視界も少しずつ明瞭になってくる。視線がまた下に落ちていたので彼が持っていたダガーが目に入った。
そのダガーは先ほどまで清野が装備していたダガーだった。
清野は彼が持っているダガーを見つめ擦れた声で自分のモノだと主張した。

「大丈夫。すぐ君に返すよ。」

ダガーに明かりを照らす。懐から出したレミの布をダガーで二つに裂く。

「…切れ味も申し分無い、管理が行き届いている。スコロペンの毒も湿布済み…すばらしい完璧だ。」

だから何?と言いたい気分だったが、とりあえずそれを言う気も起きないほど体は怠かった。

「では、ダガーを君に返そう。」

ダガーも返して欲しいがそれよりも先にこの拘束具を外して欲しいとか考えていたが、
その望みはかなわない事をすぐに知った。

ダガーは銀の直線を描き、清野の右胸に沈んだ。
彼が近くに寄ってきたことでその背に隠れていたモノが見えた。
それは生きたまま解剖され磔にされたかのような酷い有様の天族の男性だった。

全ての事の情報処理が追いつけずようやく自分の状態を把握した時には
痛みと肺を刺された事による気管逆流血のせいで声を上げることすら叶わなくなっていた。
ただゴボゴボと血の泡を吐き、息も出来ず、さらに空気を取り入れようと吸い込んだ所で
吐き出した血の泡が戻るだけで全く息をする事は出来なかった。

息の出来ない苦しさで涙がにじむ。同族なのに何故こんな事を?
きっとあの男性もこの男にやられたのだろう。

「大丈夫。簡単には殺さないよ。殺したらキベリスク帰っちゃうしね。
思う存分苦痛を与えられないだろう?」

苦しみの中顔を上げると
そこには狂気に満ちた笑みを浮かべ瞳を見開き、
楽しそうにこちらを見ている見覚えのある男の姿があった…。
The entrance to hell
後半にグロテスクな表現があります。注意。

いつも通り陰鬱な景色が広がるインタルディカ。

調査隊並びにユベントス、清野達(調査隊4班に区分けされた)とロイ、監察官がロイを確保した場所で現場検証を始めた。
まずはロイが監禁されていた場所の特定。発見した場所からそれ以前の足取りを探る。
ロイがエリュシオンの独房の中でした証言をまとめると
大体逃げ出してから此処に至るまで約5分余り。
そんなに遠く無く、途中何度も足を取られた事から相当足場の悪い場所と思われる。
そして発見した状態異常の侵食度からして状態異常掛けられてほぼ直ぐ脱出に成功したと思われる。

「ここから半径250M以内に監禁場所への入り口があるはずだ。放射線状に分かれて探そう。」
そういうとユベントスは調査隊に細かく場所割りの指示をだす。
清野達もその捜索に加わるものかと思って居たのだが、彼等はロイの見張りとしてその場に残るように言われた。

「ボクの鼻があの状態異常の中利いていたなら、多分入り口は地下へ入る形になっているはずデス。外の明るさと共に土の匂いがシタので…」

その言葉を合図に調査隊は六方に散った。
アクティブモンスターが多い荘園は戦闘を交えながらの捜索になる。
そして、アクティブが多いからこそ、普段はモンスターばかりに気を遣い
隠し通路など発見する事ができないのであろう。
通路の入り口は意外とあっさり見つかった。

3時方面に進んだ調査隊が廃屋の裏手に隠し通路を発見。
木の戸が付いていたが引っかけたのだろうロイの服の一部がちぎれて引っかかっていた。
そして、その通路はロイの言うとおり地下へと続いていた。

調査隊のスペルウイングが炎を灯し、行き先を照らす。
くりぬかれだだけといった感じのトンネルの所々にろうそくを置いていたのであろう小さな穴がある。
使ったばかりのろうそくの燃えかすがある事から、最近此処に人がいたことは容易に想像出来た。

音も無く、薄暗い通路の先にまた木で出来た戸が見えてきた。
先頭を切って進んでいたユベントスが調査隊に目配せし手信号でフォーメーションを伝える。
ここから先は未知の空間。加えてあの正体不明の魔法DOT。
閉所での予測できうる全ての攻撃法に対抗できる陣形をとり、調査隊の1人がノブに手をかけた。
目配せで各自の準備が整ったことを確認し、指を一本ずつ折りたたんでカウントダウンをとる。
清野は持っていたダガーを握り直し防御の姿勢に変えた。
指が全て折られたところで戸を開け放ち突入する。

そこは小さな収容所だった。通路の両サイドに3部屋、全6部屋。
その小さな牢屋に魔族が磔状態で壁面3方向に1人ずつ。
皆一様に異常な姿で…断続的に痛みを与え続ける拷問具を付けさせられ、
隣にある点滴スタンドにはポーションの様なものが吊るされていて
直接血管に点滴されるようになっている。
拷問の方法は色々。大体がえげつない方法だった。

両手両足切断、腹切り、串刺し、皮膚を剥がれたり…全て死なない範囲で。
一定時間でそれを行うように器具により設定されていた。

皆言葉を失う。同行させられていたロイは囚われていた時にこの部屋には来ては居ないようだった。
惨状を見て「ひどい…」とぽつりこぼした後すぐ気を失ってしまっている。

調査隊のディーヴァも惨状に目を覆う者、その場で嘔吐してしまう者、「ざまあねえな」と貶す者様々だ。
ユベントスは惨状を直視しつつ部屋の安全を確認していた。

「とりあえず、この魔族達をこのままにしてはおけない。収容班の要請を。」

近くに居たさっきまで部屋の隅で嘔吐していた連絡係のディーヴァが弱々しい声で「了解です」と答えてすぐに飛び出していった。
どうやらここの空気に耐えられなくなったらしい。

「1班・2班はここに残って現場確保。3班・4班はついてきてくれ。…まだ奥があるようだ。」

そのユベントスの言葉に一同は息を呑んだ。まだこの悪夢のような場所があるのかと思うだけで総毛立つ。
通路の一番奥でユベントスがしゃがんで木製のまた地下に続く扉を手で軽くノックするように場所を変え何度か叩く。
返答はない。もちろん返事を期待しての動作ではないが。
3班・4班は指示通りユベントスについて行く。扉にギミックを確認できなかったので近くにあった鉄棒を使い扉をこじ開けた。

中から冷気があふれる。今居る階とは違い下は真っ暗で何も見えない。
持ってきたスパーキーの発光体を落としてみると3M下で少しはねたのが見えた。
深さが確認できたのでそれに見合う長さのロープを下ろし一人ずつ降りる。

少し湿り気を帯びた冷たい空気があたりを包む。
周りは岩に囲まれた通路になっていた。足元は当然悪い。
明かりを灯してみるとロープを下ろした後ろに道はは無く、前に漆黒の道が続いていた。
3班のスペルウイングが灯した明かりの火力を上げた。

「ここ…涼しいけど…涼しいとはまた違った寒さ感じない?ちょっとゾクゾクする…」

mizuhoはそう言うとワンドを構え直した。
皆一様に嫌な気を感じているようで張り詰めたものを感じる。
ユベントスも感じては居るのだろうが表情は先ほどと変わることなく風向きを確かめた後
先陣を切って歩き始めた。
3班、4班とそれに続く。

「…そうだね…この間の正体不明のデバフのような…ねちっこい悪意みたいな嫌な感じ…」

アジュマーンはそうつぶやくとメイスと盾を装備した。
もの凄く曖昧な返答をしたように感じる言葉だったが、皆その言葉が言い得て妙と感じていた。
その悪意が漂ってくるような目前の暗い穴の終わりはすぐそこにあった。

「扉だ」

ユベントスの言葉に皆一斉に武器を構え迎撃、防御の型を取る。
ここに入ってきた時と同じようにノックチェックの後突入…するはずだった。

「待って!」

mizuhoが緊張した声を上げる。
その声に全員振り返る。彼女の表情は強ばっている。

「清さんが…いないの」

アジュマーンの背筋を冷たいものが走った。
Cooperation of hostile tribes
インタルディカに現れた魔族は彼自身の状態異常解除と同時に
アジュマーンがピュリフィケーションを同時に何十回と重ねていくことで
あの漆黒の闇のようなdotが解除出来た。

左手首から先も彼自身の回復魔法で傷は癒え、
今は独房のような場所で幽閉されていた。

ユベントス並びに調査官と彼を捕まえた清野のPTメンバーのみで彼への尋問が始まった。
狭い独房の中での尋問、部屋の中は少し人の体温で空気が生暖かく感じた。
質素な木製の机を挟み反対側に魔族と彼を拘束している監察官。
こちら側に調査官2名、ユベントスと清野、アジュマーン、misuhoがいる。

魔族のキュアウイングは名前を ロイ・カーティス と名乗った。
勉強熱心なディーヴァらしく天族魔族両方の言語が判り、
龍族、クラル、ライカンの言葉も熟知していた。

彼は顔立ちは幼かったが、もう数百年も生きているディーヴァだった。
天族と魔族が争う事に疑問を抱く一人で、天族、魔族、龍族や煉族、その他の種族の文献を読みあさって
アトレイアが何故このようになったのか調べるために一人潜入を繰り返していたらしい。
話を鵜呑みにするわけでも無いが、とりあえず彼はその途中で何者かに捕まりインタルディカのどこかに拉致され、
そこであの状態異常スキルを受けたらしい。
その際、顔を見る隙もなく気配すら悟られずに気絶させられた事から相手はかなり拉致行為が手慣れた者のようだ。

「と言う事は、あの未知の状態異常は誰が掛けたかわからないと言うことだな?」

「イイエ、私が確認出来たのは捉えられた後に閉じ込められていた石牢のような場所と、
奇怪な器具に、悲鳴、魔族も天族もいたと思いマス。二つの言語がきこえました。
アト茶色く薄汚れたローブを着た人物…この人物がもしかしたら…」

「術士かと?」

「ハイ。しかし朦朧としていたので記憶があやふやで…」

バンッ!

木製の机が割れるのではないかと言うくらい強く叩かれた。
音の主はシールドウイングの調査官、ヴァンスだ。
その表情には怒気が孕んでいる。

「手緩い!正しい情報をくれるとは限らん魔族にこのような尋問では
舐められますぞ!しかも全て証言は核心に触れない事ばかり…
まさか貴様、間者として送り込まれたか!」

もの凄い剣幕でまくし立てるヴァンスにユベントスは またか… といった感じで額に手をやった。
ヴァンスは排他的なディーヴァで魔族に対する嫌悪感をはっきり出す人間の一人だった。
彼がアビスでの戦闘の際、口に出すのもおぞましい残虐な方法で魔族の捕虜に手を下したという話は記憶に新しい。

今も放っておけばこの気の弱そうな魔族のキュアウイングを同じ方法で屠りかねないような雰囲気だ。
険悪な雰囲気の中誰もがこの場を収集出来ずにいた。

「…かといって噛みついた所でこの人、何も言わないと思いますよ。
ってか言えない。だって本当に知らないみたいだもの。目をみればわかる。」

飄々とした声に一気にその場の毒気が抜かれる。
いつも良いタイミングでアジュマーンは言葉を発する。
頭の血管がブチ切れそうだったヴァンスもこの絶妙なタイミングに少し勢いを落とされた。

しかしまだ納得の行かない様子のヴァンスは更に言葉を続けようとした。
が、その前にアジュマーンに笑顔を向けられ「ね?」と言葉を制止させられる。

きっと彼に言葉で勝てる者は居ないだろう。
記憶にある限り清野の知り合いの中では一番の古株のディーヴァだ。
清野自身も職の違う彼に教わる事は多かった。
経験が豊富で治癒職の立場からでも戦闘する者の動きやスキル、
敵種族のそれまで幅広い知識を持っている。

この間も同・異種族スキル考察レポートの提出会でもかなりの好成績を残したようで、
エリュシオンのエリオス大広間で表彰もされた。もちろんそれ一回だけではない。
天族、魔族両種族を勉強してきた彼だからこその言葉だろう。

そしてここにはそれを知らない者も居なかった。
素直に彼の言葉を受け入れるしかないだろう。
それをはねのけるほど愚かな行動を起こす者は居なかった。

「かといって、尋問が終わるわけではない。
とりあえず、君がどこから抜け出して来たのか。
それを特定するためにも実地で色々聞かせて貰おう。
もちろん拘束具は付けさせて貰う。
一応君は捕虜なのだからね。」

ユベントスの紳士的な説明に
魔族のキュアウイング、ロイはゆっくりと頷いた。
A victim witness
数日間PT編成を変えインタルディカ・メデウス荘園をくまなく捜査したが、
これといった発見もなく、捜査開始から9日目、事態は進展する。

「おまたせー!って待った?」

元気な声と共に小柄の可愛らしい女性が駆け寄ってきた。
名前はcanacoキュアウイングである。

「ううん!待ってない!」

同じようなノリで答えるmizuhoとハイタッチで挨拶を終える。
インタルディカのメデウス荘園にほど近いパセルタ村に依頼された捜査をすべく
仲間に声を掛け清野達は集まった。
今日の編成は清野、mizuho、アジュマーンとmylene、morizo、canaco。
メデウス荘園を北と南に分け、お互い何か掴んだら報告しようとだけ話し二手に分かれた。

空はどんよりと曇っている。
蔓延るアンデッド、汚染された沼、いつもと変わらぬ気味悪さ。
異常は見あたらない。

「いつ来ても嫌な雰囲気だよね…」

と、清野がぼやく。捜査から9日目。
事件の尻尾も掴めないままの進展しない捜査はだんだん彼等のモチベーションを削いでいた。

「今日は魔族に反応するペットつれてきた!」

アジュマーンが指笛を吹き、砂漠のナエダを召喚する。
このペットは魔族を発見するとすぐさま飼い主にその存在を伝えてくれる
大きな耳と目が愛らしい黄色い体毛の小型動物だ。
ちょっとした仕草も可愛らしく愛玩用としても人気のペットである。

「ちょ!かわいすぎる!!」

すかさず駆け寄ってナエダを撫でまくる。
アジュマーンの機転でmizuhoのモチベーションは上がったようだ。
と、すぐにナエダが反応した。敵対種族を察知したようだ。
3人顔を会わせ頷くと
すぐに全員背中合わせになり3方向視点のフォーメーションを組む。

じっと3方向を3人の視線が見つめる。

「来た、12時方向1!」

清野の声に2人が12時方向のフォーメーションに移る。
レーダーで確認できる位置に移動した。
相手はこちらに向かっているようで、目視でも確認できるまでに近くに来たが
様子がおかしい。まるで…漆黒。

そこだけがぽっかりと闇が滲み出ているかのようなオーラを身に纏い
足がもつれそうな危うい足取りでこちらに向かってくる。
いや、前を見ている風では無かった。
なりふり構わず走り逃げながら必死に状態異常解除の魔法を唱えているようだ。
こちらに気づく様子は無かった。
距離10mまで来た所で素早くアジュマーンがリストレインを入れる。
足止めを食らって魔族は初めてこちらの存在に気づいたようだ。
まだ幼い顔立ちのキュアウイングだった。

「たす け て!」

天族の言葉で彼はほぼ絶叫に近い声で叫んだ。
差し伸べられた左手は手首から先が無かった。

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