HAUNTED-666
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真・女神転生 IMAGINEのプレイ日記などw
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七月七日
また七夕ショートストーリー考えたったので
投下しときます!興味ない方はスルーで!!
登場する人物等は全てフィクションです!
昭和十九年七月六日夜、いつも通りの蒸し暑く寝苦しい夜だ。
海が程近い起伏のある岩盤にぽっかり空いた洞窟の中は眠るに適した場所では無かったが、
海からの風が入り込むと心地よかった。

—このような状態で、果たして自分は任務を全うできるのでだろうか。

もう既に九九式小銃を持つ手にも力が籠もらない。
ずっと何も口に出来ず飢えと病気で隊から死者も出ている。
先ほど上官から明日の総攻撃の説明を受けた。
圧倒的不利な中の総攻撃。つまり玉砕覚悟の突撃である。

洞窟の入り口は狭く人一人通るのがやっと。その狭い空間からわずかに覗く空は
宝石箱をちりばめたように美しかった。

日本に残してきた妻と幼い我が子に見せてやりたかったな…と一人思い耽る。

たまらず洞窟を抜け出した。
明日に備え皆すでに就寝している。
目の前には月明かりでほのかに浮かび上がる深い紺碧の海。
胸のポケットから妻から来た最後の手紙を取り出す。
彼女の字は美しく、彼はその字が好きだった。

目を閉じて手紙に指を這わせる。そのわずかな凹凸がはっきりと彼女の存在を知らしめてくれた。
深く付いたため息は島の熱気と交わり消える。

見上げるた星空に明日が七夕であった事を思い出す。

―そうか、明日は七夕か。

結婚して初めての七夕は雨だった。明日で二回目。
日本では見る事が出来るのだろうか。

頬を生暖かい風が撫でる。
まるで彼が妻と初めて接吻をした後、彼女が恥ずかしげに彼の頬を撫でた時のように。
「君をずっと守っていくよ」
そうその時に誓い、彼女は黙って優しい笑みを浮かべながら頷いた。

「君と君と私の子を守る為に、明日私は最後まで戦い抜きます。」

風に乗せてそうつぶやいた。
もう会えない妻と我が子に思いを馳せ、
彼は震える手で小刀を握り二つ瘤の岩に
「綾子、千鶴ヲ守ル 哲哉」と刻み込んだ。


昭和十九年七月七日 サイパンの戦い。サイパン島の日本軍守備隊が玉砕。

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平成24年7月7日
僕はいつも行く二つ瘤の岩の前に見知らぬ女性2人を見かけた。
70歳くらいのおばあさんと僕と同じ歳くらいの孫のようだった。こんなあまり人が来ないような岩場に珍しい。
辺りを見渡しているようだったが、何か探しているのだろうか。

見知らぬ…だけどどこかで見たような。
そんな懐かしさのようなものを感じ声をかけてみた。

「こんにちは。どうかしましたか?」

向こうもこんなところに人が居るとは思わなかったようで、
一瞬たじろいだようだったが日本人だと確認すると少し安堵したような表情を見せた。

「こんにちは、ちょっとここに用事がありまして」

何もないここに用事というのも些か違和感があったが、あまり気にしないようにして
僕は僕の日課を果たしに彼女達の近くに行く。
僕の日課、それは“自分”が刻み付けたあの誓いを見に行く事。

僕は迷いもせず、その二つ瘤の岩の誓いの前に立ち指でなぞる。
物心付いた時から何故か僕は前世の記憶があり、
前世の名は星野哲哉。この美しい島で妻と子を思い22の若さで命を散らした日本兵だ。

何故記憶が残っているのかもわからない。幼い頃はただただその記憶が怖かった。
美しい記憶もあったのだがそれ以上に戦時中の記憶が今も鮮明に甦る。

「あぁ、これです。探していたのは。ありがとうございます。」

思い耽っていたところに老婆が後ろから声をかける。
これ…とは?まさかこの誓いの事だろうか?
その場から退き一歩下がって二人を見る。

「ほらあやこちゃんコレが私のお父さんが私達を守ると誓った岩なのよ。」

今なんて?背筋が凍りついた。
一瞬にして跳ね上がった心拍数が身体全身を震わせるかのようだ。

「あの…」

たまらず僕は声をかけた。

「はい?」

僕の顔は怖いくらい真剣になっていたに違いない。
もしくは不振なものでも見るように見ていたと捉えられたのか、
老婆は説明を始めてくれた。

「この誓いを彫ったのは私の父なの。孫のあやこにも小さい頃から聞かせてたから
今度サイパンに来るときには一緒に来ましょうねと約束していたのよ。」

優しそうな笑みを浮かべ穏やかに話すその老婆はどこか妻綾子の面影を感じた。
確認するかのようにその老婆に質問をした。

「失礼ですけれども貴女のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「村上千鶴です」

結婚して姓が変わったのだろう。千鶴、たった1年も一緒に居てやれなかった僕の娘。
間違う事無く僕と綾子の子だった。
名前を聞いた瞬間、僕の両目から大粒の涙が零れた。
老婆は突然僕が泣いた事に驚き、小ぶりの薄いピンク色のハンドバッグから
綺麗にアイロンをかけてあるハンカチを僕に手渡してくれた。

「すみませっ…すみません…」

僕はそのハンカチを受け取り涙をぬぐうが止まらない。
もう視界も僕の顔もぐちゃぐちゃだった。

「あら、あやこちゃんまで…どうしちゃったの?」

少女がすすり泣く声が聞こえる。
二つ瘤の岩の誓いが彫られたところを撫でながら、少女が泣いていた。
ゆっくりと泣いていた少女が振り返る。
彼女もまた涙でぐしょぐしょの顔だった。

「綾…子?」

涙で歪む視界の中見えた少女の顔は、妻綾子の学生時代に瓜二つの美しい娘だった。

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七夕また1日すぎちゃった…
またいきなり思い立って書くからそういう事になるんですよね…w

七月七日が太平洋戦争のサイパン玉砕の日だったので、それとかけて書いて見ました。
前世の記憶がある“僕”=哲哉、娘の千鶴、その孫の綾子が
十数年の時を経てまた出会えたという七夕ストーリー。

初め玉砕のみで終了予定がやっぱり七夕ロマンがないとだめだろ。
って事でロマンもつめてみました☆いつも拙い文章ですみません(´・ω・`)
はずかしいけど書いて公開しないと上達しないんだじぇ!
感想待ってます(´・ω・`)(ぁ)
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