HAUNTED-666
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真・女神転生 IMAGINEのプレイ日記などw
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桜の樹の下には
IMAGINEであったイベントでよかったところのSS撮っていたら
何か書けてしまったのでUP

※ほんのりグロテスクな表現などがありますダメな方はスルーで
ほんのりだからたいしたことはない…ハズw
薄暗いナカノ
モウリョウやスペクター、シャドウがうろつくさまは
いつもよりもその光彩が鮮やかに浮き出て花火のように綺麗に見えた。
2010y08m28d_231459350.jpg
オベリスクも発光しているせいかいつもより際立って見える。

「本当に暇つぶしにしかならねぇな…いや暇つぶしにもならねぇ」

傍らにいた召還中の仲魔、ロキがつまらなさそうに独りごちた。
近くに現れたファントムをわざわざ耐性のあるブフダインで
ちまちまとHPを削っている。
彼なりの暇つぶしのつもりだろうが性質が悪い。

「まあまあ、雰囲気だけだから」

気分転換にとこの大掛かりな『キモ試し装置』をもう一度試してみることにした。
DBカトリが『大崩壊』以前の資料から
日本の『夏』には『キモ試し』なる風習が在る事を知り設置した装置だった。

DB清野は以前仲間のDB卯月に教えてもらった『キモ試し』のチェックポイントで
一番気に入りの場所に向かっていた。

遠くから赤子の泣く声が聞こえる。

「そろそろだ」

薄暗い道はいつものナカノとは違い
DBカトリから手渡された懐中電灯がないとほぼ先は見通せなくなる。
さすが『キモ試し』だけあっていつもより不気味な雰囲気だ。

少し進むと赤子の声が大きくなってきた。
野道の先にうっすらと桃色の影が空中に浮かんでいるように見える。

ナカノにぽつんと現れた桜の樹だ。

「やっぱり綺麗だなぁ」

BGMが赤子の泣き声って言うのがいただけないけど、
と、言いながら懐中電灯の明かりを切り、以前来た時にDBカトリからもらった
青白い人魂のようなエクストラをつける。
ほのかな明るさが桜を見るのには丁度良い塩梅だった。
2010y08m29d_004536777.jpg

「お前…これ見に来たのか?」

あきれた表情で桜の樹を仰ぐ清野を見る。

「うん」

清野が茫然と桜を眺めている間、ロキはその場に腰を下ろす。
こういう場合しばらく掛かるという事を彼は分かっていた。

「もっと前出て見た方が花近くねぇか?」

桜の樹の下に行こうとしない清野を見て
ロキは思ったままを口に出した。

「ねえロキ」

ロキの言葉に答えず清野は切り替えた。
清野の視線はロキの方には向かず桜のままだ。

「なんだ?」

「桜の樹の下には屍体(したい)があるんだって」

「…は?」

唐突に告げられた言葉にロキは思わず拍子抜けした声を出す。

「以前シンジュクの廃墟群を調査してる時に見つけたんだ。
USB形式のデータチップ。 壊れててデータ修復にかなり時間かかったけど
面白いものが見られたよ」

― 桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている

わずかに清野が桜から後退したように見えた。
見間違いかもしれないと思ったがわずかに地面を擦ったあとがある。

「薄紅色が濃ければ濃いほど数が多いのかな?」

― いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、
  あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。


「なんとなく、なんとなくだけどあの文書の事はわかる気がするよ」

― それは人の心を撲(う)たずにはおかない、
  不思議な、生き生きとした、美しさだ。

  しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰気にしたものもそれなのだ。
  俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。
  俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。


またひとつ後ずさる。

「ねえロキ」

― 屍体はみな腐爛(ふらん)して蛆(うじ)が湧き、堪らなく臭い。
  それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。

  桜の根は貪婪(どんらん)な蛸(たこ)のように、それを抱きかかえ、
  いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚(あつ)めて、その液体を吸っている。


ざり、ざりざり

― 俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。
  俺の心に憂鬱が完成するときにばかり、俺の心は和(なご)んでくる。

「ねえ」

― おまえは腋の下を拭いているね。冷汗が出るのか。
  それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。
  べたべたとまるで精液のようだと思ってごらん。
  それで俺達の憂鬱は完成するのだ。


ざり、ざり

― ああ、桜の樹の下には屍体が埋まっている!
  いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない屍体が、
  いまはまるで桜の樹と一つになって、
  どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。


「まるで狂気が芽吹くようだね」

清野はもう後退することができなかった。
ロキが後ろで支えていたからだ。

「その狂気は俺にとっちゃ心地いいがお前はちがうだろ」

支えていもらっているのを確認するかのようにロキに背を預ける。
そのまま両の手のひらを桜の方に差し出すように向け
桜から視線をそちらに移す。

「一体何をやっているんだろう?僕は…」

手のひらに散った花びらが留まる。

― あの時のようにこの手は今も血みどろだ。
  続く悪魔との戦い、その中で見つかると思っていた答えも
  相変わらず見つけられずにいる。


「仕方ないさ。キレイごとばかりじゃ生きていけねぇだろ」

― 母を殺したのは?弟は何を見た?両手にこびりついた母の血…

「悪戯に他を殺し永らえるのも罪か…」

清野の両肩を支えていたロキの両手が離れ、その片手が清野の首にかかる。
そのまま力任せに桜の樹の下に向けて首をつかまれた状態で押し倒された。
強かに打った背中からの衝撃で肺から空気が押し出され、
それとともに声にならない声となって咽喉を徹る。
屈みこんだロキの金髪が頬を擽る。

「ならいっそ一度逝ってみるか?」

残忍な笑みを浮かべるロキに引き戻される感覚を覚える。
すると笑いが込み上げて来た清野は小さく声もなしに肩を震わせて笑った。
その態度にロキは眉根を寄せる。

「ふふっ、悪い。ありがとう。」

興を醒まされたロキは力を込めようとした手を止め立ち上がる。
続いて立ち上がり服の埃を叩き払った清野はもう一度桜を仰ぐ。

「ロキ」

「なんだ?」

視線を桜からロキに向けて清野は妖しい笑みを作る。

「お前に僕は殺せないからやめておけ」

ロキは一瞬すべての動きを止めたがそのあとすぐ舌打ちをした。

「馬鹿野郎」

悪態を吐きマントを翻してこの空間の出口の方へと歩き始めたロキを追って
清野も歩をすすめる。
振り返ると桜の樹は色鮮やかにそこにあった。


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おわりぃぃぃぃぃ!

意味不明ですみません。
書きなぐりですみません。

ほんのり設定とか暴露↓
清野は母(DB。コードネーム=Bleu G shy)と弟の3人暮らしでしたが、
ある事件がきっかけで母を亡くし状況から弟は兄が母を殺したと勘違いしたまま
姿をくらまし行方知れずに。
いつか兄に復讐しようとしているという…そんな込み入った設定。

赤文字部分は梶井基次郎氏の短編「桜の樹の下には」から引用。
よく聞いたことのある「桜の樹の下には死体がある」というのは
この方の作品から来ているらしいです。
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