HAUNTED-666
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真・女神転生 IMAGINEのプレイ日記などw
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The despondent Strider
牢獄を作ったパトリックはあの後無抵抗のままユベントスが直接拘束しエリュシオンへ送ったらしい。
パトリックとユベントスは共に勉学に励んだ旧知の仲であり、友の一人でもあった。

牢獄内は現在調査中だが相当数のディーヴァが被害にあっていた。
天も魔も関係無く。むしろ同族である天族の方が損傷が酷かった。
最初抜け出したとされる魔族のスペルウイングの女性は
清野たちが面会した後すぐ消滅し、オードの流れに還ったらしい。

彼女にかけられた強力なDOT魔法はパトリック曰く
「偶然の産物」だったようで以降何度も実験を試みたが一度も成功しなかったらしい。
その実験の為に消滅したディーヴァの数は「憶えていない」とも。

保護した魔族のディーヴァはディーヴァとしてはまだ未熟な者から、
敵種族への偵察や抹殺目的の者(熟練者)迄色々だった。
中には亀裂に迷い込んだり、趣味で花を取りに来ただけの者もいた。

天族で捕まった者は天族同士で油断していたからか、かなり有能なディーヴァも数名いた。
彼等は一様に行方不明とされてきたが…
有能であるが故に精神力が強く一番苦しむ方法で拷問されていた。
そう清野が最後に見た彼がそのうちの一人であった。

あれから連日取り調べが続いているらしいが、パトリックは疲れた様子を見せるどころか
喜々として自分がしてきた奇行を語っているらしい。
尋問官はユベントス。
パトリックが彼以外とは話をする気も無いと突っぱねたからだ。
しかし、ユベントスの方は疲れがたまって来ているようで、尋問からわかった事を毎回報告してくれるのだが
日に日に目に見えて疲弊していくのが判った。

「昔はあんな事出来るヤツじゃなかった」

あまりの友の変貌ぶりに失望しているユベントスに何と声を掛けたら良いか判らず、
彼の俯いた横顔を見つめるほか無かった。

「…清野、君に頼みがある。」

言い辛そうにつぶやいた彼は伏せていた視線を清野へと向ける。
嫌な予感がする、でも清野はユベントスから視線を反らすことはしなかった。

「今日の尋問、嫌だとは思うが君も一緒に来てくれないだろうか。
パトリックが君が来るなら全てを話すと言っているんだ…
何故面識もなかった君が来ることが条件なのか判らないが…」

当然パトリックに会いになど行きたいわけがない。
しかし…このままだと拷問された恐怖だけが後に残ってしまう気がする。
恐怖の記憶はじわじわと後から首を絞めに来る。
わかっている、既に恐怖は自分の呼吸を、心拍を荒らしに来ている。

同族なのに何故あのような凶行を?むしろ被害者の実態を見ると天族の被害者の方が
明らかに拷問の手口が残忍かつ非道なやり方なのだ。
長く苦しむよう拷問のメニューを立てているようにしか思えない。

未だ恐怖はある。しかし疑問も次々と浮かびあがるのだ。
どれを取っても不可解なものしか無く、実際のところを知りたいという好奇心が
それらを上回るのに時間は掛からなかった。

「…わかりました。行きます。」

「本当に…すまないな。」

弱々しく苦笑するユベントスに清野はなるべく表情が強ばらないように微笑んだ。

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Gentle awakening
※甘いです


清涼感のある香りが鼻孔をくすぐる。
これはオーカの香り?

ー僕の好きな薫りだ。

目を覚ますとそこは見覚えのある場所だった。
エリアンにある清野の自宅である。
心配そうに覗き込んでいた女性はmizuhoだった。

「あ!アジュさん!アジュさん!清さん目覚ました!!!」

大声でアジュマーンを呼ぶmizuhoに半透明のパーテーションの向こう側で
人差し指を口の前に立て静かにするように促す。

「あっごめん!起きたばかりだものね。大丈夫?」

まだ頭の中に霞が掛かったような感覚は抜けないが、
それも次第に晴れていってるのがわかる。
体はディーヴァであればキベリスクに戻れば大体元通りだし
何よりアジュマーンが回復魔法を施してくれたのであれば問題は無いはずだ。

「ん、大丈夫。それよりもこの香り…mizuhoちゃん?」

「そそ、清さん好きだって言ってたから…起きた時その香りがしたらいいかなって…」

mizuhoの表情が曇る。あの部屋で何をされていたのか見たからに他ならないが、
あれは、拷問だ。肉を抉り、血を滴らせ、骨を削る…。
あそこに囚われていた魔族、天族が精神を崩壊させられたように空虚な表情になっていたのはそのせいであろう…
想像もしたくない…アレがずっと続くなんて。
あの苦痛はもう経験したくはない。

「…ありがとう」

ゆっくりベッドから起き上がってベッドの端に座ったまま傍らに居たmizuhoを抱き寄せる。
柔らかくて暖かい、ふわっと香ってきたのはエリュシオンで売っていたルニメのコロンだろうか。
その穏やかな感覚に少し張りつめていた神経が脱力するのを感じた。

「おちつく…」

さらに抱き寄せて密着し首筋に顔を埋める。

「ちょ?!清さん??!」

「ごめん、後もう少しだけ、このままで…」

アジュマーンはこっちに背を向けて待つ姿勢を取ってくれた。
mizuhoはそれを確認して清野の背中に手を回す。

「はいはい、少しだけだよ?」

そういう彼女は頬を少し朱く染めつつ。
子供をあやすように軽く背中を撫でた。
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